東澤瀉は幕末岩国藩に在って王学を極め、東の澤瀉、西の松陰、と地元の人から呼ばれています。

吉香公園の北、菖蒲園の手前に、三士顕彰の碑が建立されています。碑文は三須成懋の撰で、書は南部五竹の三男で、東澤瀉の女婿南部保の謹書であります。碑文に三人の来歴と功績が詳しく記されています。

この文政絶句抄は、東澤瀉が亡くなる前年の明治二十三年の秋に著したもので、いわば絶筆に近い書で貴重な直筆の書であります。曾祖父南部五竹の心からの友である東澤瀉の書、わが家に保管されている唯一の直筆の書であります。 　

曾祖父南部五竹の白雲洞遺稿と、祖父山田行蔵の羅漢山人遺稿の編釈を終え、懸案であった、東澤瀉の文政絶句抄の編釈を、この度脱稿しました。推敲不足の点は、向後補正して行きたいと思います。

文政絶句抄　（PDFファイル152Kb）