高秋（こうしゅう）山代、朝陽に映ゆ 
里正の碑前に首（こうべ）を回らして望む 
始祖の霊魂、呼べども答えず 
霜に傲（おご）る叢菊（そうぎく）、清香を發す

山代＝山口県玖珂郡の北部の町村、山代の五ヶ八ヶ十三郷。末裔＝子孫。高秋＝空が高く晴れ渡る秋、秋晴れ。　朝陽＝朝日、旭日、朝光。映ゆ＝映える、映る、写る。里正＝庄屋の漢名。碑前＝成君寺にある十一庄屋頌徳の碑。回首首、頭、顔を振り向けて。望む＝仰ぎ見る。始祖＝遠祖、祖先、祖先の始め。霊魂＝十一庄屋の魂、魂魄、魂。　呼べども答えず＝呼んでも返事がない。傲霜＝霜に遭っても枯れない、強く正しくて凶暴な者にも負けない恐れない人の例え。叢菊＝群がり生えて咲く菊、ここでは山代の民の意をこめて。　發清香＝見事に咲いて清らかな香を發している、發は開く、咲く。